後期高齢者の親に優しく接したい、でもできない

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高齢者の母との付き合い方
  • どうして優しくできないの?
  • いない方が楽なんて思ってしまう・・・
  • もっと優しくしてあげたい
  • 親が元気なうちに、穏やかな関係を築きたい
  • いつかくる別れの日に、後悔したくない…

かつては、誰よりも頼りになり家族を支えてくれた父。いつも身綺麗で家の中を整えていた母。そんな大好きだった親が、少しずつ老いていく姿を見るのは切ないものです。最近よく転んだり、身なりに構わなくなったり、部屋が散らかり放題になっているのを見て、戸惑いや寂しさを感じ、つい「子どもじゃないんだから!情けない」ときつい言葉をぶつけてしまう…、そのたびに深い後悔と「どうして優しくできないんだろう」と自己嫌悪に苦しんでいる。

なぜか親といると心がザワザワして、素直になれない。そんな風に自分を責めているのは、あなただけではありません。

私自身も、77歳になる母と暮らしています。女手一つで私と姉を育ててくれた母は、昔はおしゃれで明るく自慢に思っていました。でも年を重ねた今はだらしなくみえてしまい、私のきつい言葉にも黙って聞いている…傷ついているだろうに、おとなしく聞いている母の姿を見ると、申し訳なさと自分の不甲斐なさで、胸が締め付けられます。当時はできないことばかりにフォーカスし、怒ってばかりでしたが、今は心の距離を取り、良い面を見られるようになりました。そして少しずつ、優しい言葉をかけられるようになり、母の方もも優しくなりました。怒りの言葉は届かないけど、優しい言葉は心に届くようです。

この記事は優しくできない原因を探り、親との「ちょうどいい距離」の見つけ方、あなた自身が罪悪感に縛られず、穏やかな気持ちで向き合うための、具体的なヒントを解説していきます。

この記事を読み終える頃には、あなたの心が少し軽くなり「優しくなれない自分」を卒業するための一歩を踏み出せます。

優しくするためには

  • 会う回数を減らし、距離をとる
  • 年老いていく親の心を知る
  1. 高齢者の親に優しくできない7つの原因
    1. 衰えていく親の様子をみて、不安や寂しさの感情が刺激される
    2. 「感情の距離が近い」家族だからこそ怒りが強くなる
    3. いつでも帰れる親の存在「安全基地」がなくなる不安がある
    4. 親の為に自由を奪われていると感じる
    5. 過去に親から傷つけられた経験から、無意識に防衛的な態度をとる
    6. 頼れる存在のまま、変わらないでほしいという願望がある
    7. 更年期障害や環境の変化が訪れる時期と重なる
  2. 完璧じゃなくていい。高齢者の親に少しでも優しく接する5つのコツ
    1. 親孝行するために親と距離をおく
    2. 親に優しくできない自分を責めない
    3. 理想の生活態度を親に押し付けない
    4. 「親孝行の呪い」にかからない
    5. できないことが増えていく親の気持ちを知っておく
      1. 社会的な変化
      2. 精神的な変化
      3. 身体的な変化
  3. 介護される親が一番支えになっていること
    1. 子どもたちが元気でいることが支え
    2. 誰かの役に立っているという実感
  4. 「おや?認知症ではないか?」と本人が思うこと
    1. 初期(主な症状)
    2. 前期(主な症状)
    3. 中期(主な症状)
    4. 後期(主な症状)
  5. 認知症になっても4つの心は生きている
    1. 寂しさ、孤独を抱えている
    2. 人の気持ちを敏感に察する
    3. 相手を思う心
    4. 感謝の気持ち
  6. 「親愛なる子供たちへ」この詩を読むと少し優しくできる
  7. まとめ

高齢者の親に優しくできない7つの原因

高齢の親に対して優しくできない7つの原因は以下の通りです。優しくできないのには、なんらかの理由があります。

  • 衰えていく親の様子をみて、不安や寂しさの感情が刺激される
  • 「感情の距離が近い」家族だからこそ怒りが強くなる
  • いつでも帰れる親の存在「安全基地」がなくなる不安がある
  • 親の為に自由を奪われていると感じる
  • 過去に親から傷つけられた経験から無意識に防衛的な態度をとる
  • 頼れる存在のまま、変わらないでほしいという願望がある
  • 更年期障害や環境の変化が訪れる時期と重なる

衰えていく親の様子をみて、不安や寂しさの感情が刺激される

「親に元気でいてほしい」と思う心配や不安が、つい怒りとなって表れてしまうことがあります。「親が心配」→「思うように伝わらない」→「怒り」という順に感情が出てきます。

高齢になり衰えていく姿をみると、将来が不安になります。心配してアドバイスしているつもりなのに、言うことを聞いてくれないと怒りが湧いてきます。

怒りは「二次感情」とされ、その背後には「一次感情」と呼ばれる本当の気持ちが存在します。
一次感情には、「悲しみ」「不安」「心配」「疲れ」などがあり、これらが適切に表現されないと、怒りとして表出することがあります。

本当は「親に元気でいてほしい」と思う優しい気持ちが、怒りとなって表れてしまうのです。

「感情の距離が近い」家族だからこそ怒りが強くなる

家族関係では、感情の距離が近いため、怒りが強く出やすい傾向があります。心理学的には家族間の感情的な結びつきが強いほど、過干渉や怒りが生じやすいとされています。例えば親の外出を「危ないから」と必要以上に制限したり、「栄養バランスが悪い」と一方的にメニューを決めてしまうなど、心配だからこそ過干渉になってしまったり、親なんだから「こうあるべき」「こうしてくれるはず」といった期待が裏切られたとき、失望感が大きくなり、怒りにつながりやすくなります。

いつでも帰れる親の存在「安全基地」がなくなる不安がある

苛立ちや、きつい言葉をぶつけてしまう原因として、心理学的に子どもにとって親は、いくつになってもある意味、自分の一部であり「いつでも帰れる安全な基地」として感じられています。しかし、親が老化していくことによって「安全な基地」が崩れてしまい、安心して帰れる場所が無くなっていくことに直面し子どもの心理にものすごい負荷をかけるそうです。その為気持ちがかき乱されて苛立ち、「きちんとしてくれないと私が困るんだよ!」と悲鳴をあげているようなもので、実は親の問題ではなく、自分の問題なのです。

参考:書籍「親不孝介護」より

親の為に自由を奪われていると感じる

親に対しての過去の記憶が、優しくできない原因になっていることがあります。日に日にできないことが増えていき、買い物や、病院の送迎、食事の支度、せっかくの休日も連れ出さなくちゃと「やらされてる感」が自分の時間を奪われているように感じ、それが引金となり過去の記憶と結びつくことがあります。

「小さいころから親の言いなりだった」「わたしの気持ちをわかってくれなかった」などトラウマのような記憶が蘇ることで、次第に親との関係がプレッシャーとなり優しくできなくなります。

過去に親から傷つけられた経験から、無意識に防衛的な態度をとる

過去に親から傷つけられた経験があると、再びその痛みを感じたくないという心理が働き、無意識のうちに防衛的な態度をとってしまいます。「また同じことを言われるのではないか」「結局、自分の気持ちは理解してもらえないだろう」といった思いが、親との間に壁を作ってしまうことも。老いて弱っていく姿をみることで「かわいそう」「なんとかしてあげたい」気持ちとの間で葛藤や、どうしていいかわからない戸惑いに、つながることがあります。

頼れる存在のまま、変わらないでほしいという願望がある

高齢の親に対して、ずっと頼れる存在でいてほしい気持ちがある一方で、年齢を重ねてできないことが増えていく現実にどうしても戸惑いや苛立ちを感じてしまいます。

出来ないことが増えてきても、自分が叱咤激励すればまた元の状態に戻ってくれるという、願望が隠れています。しかし期待に反して、できないことが徐々に増えてきます。そんな状況を受け入れられず、親のできなくなったことばかりにフォーカスしてしまいイライラしてしまいます。

更年期障害や環境の変化が訪れる時期と重なる

更年期は女性の大きな転換期にあたります。女性ホルモンも減少により、心や体に変化が現れる時期です。それに加えて子供の自立、夫の退職、親の介護の問題など、これまでの生活がガラッと変わるタイミングでもあります。更年期の症状で心も体も不安定になりやすく、イライラしてしまう1つの原因です。

参考:富士製薬工業:更年期障害について

完璧じゃなくていい。高齢者の親に少しでも優しく接する5つのコツ

優しく出来ないときは誰にでもあります。できる範囲で少しでも穏やかに接する5つのコツを以下にまとめました。頑張りすぎず、自分を責めないようにしましょう。

  • 親孝行するために親と距離をおく
  • 親に優しくできない自分を責めない
  • 理想の生活態度を親に押し付けない
  • 「親孝行の呪い」にかからない
  • できないことが増えていく親の気持ちを知っておく

親孝行するために親と距離をおく

親との距離を置くために、早めに包括支援センターに相談しておきましょう。全部を自分で抱え込まず相談しておくことで、安心して距離を置くことができます。

認知症ではと疑う事態になる前から、地域包括支援センターと連絡をとって「こういう老人がいる。今は元気だが年齢的にいつ何があってもおかしくないから、なにかあった場合どうすればよいか」と早めに相談しておけば、現状が整理でき今必要なことが見えてきます。今後何かあった時にすでに連絡先がわかっていて、しかも事情を知っている人とコンタクトすることができます。認知症になってからだと他人が家に入るのを嫌がることも多いので早めに準備した方が良いです。

包括と連携して介護予防の健康体操や地域独自の高齢者見守りの取り組みなどの情報を収集しつつ、いざとなった際には、最初から外部サポートを頼ることが、親にとってスムーズな介護生活への移行と穏やかな生活につながります。

親との距離が近くなると、嫌でも衰えて色々なことができなくなっていく姿が目に入ります。そうなると不安を感じて怒りを我慢できなくなり、イライラやストレスを感じることになります。「親孝行」どころか自分にも親にも大変なストレスをかけてしまいます。そうなれば優しく接することはできなくなります。

包括に相談するタイミングは「最近なんだか様子がおかしい」と感じる前でも構わないです。日々のちょっとした見守りの方法など本格的な介護が必要になる前の段階から、老化による様々なトラブルを予防するための相談ができるようになっています。

安心して距離を置くために、早めに包括支援センターに相談しておきましょう。

参考:書籍「親不孝介護」より

まだそんなの必要ない!と怒りそうだけど、うまく話して納得してもらいましょう。例えば「けがしたときは色々なものがレンタルできる、住宅改修費用の補助があるから、いざというときのために話をきいておきたいの」など将来の不安に備えるように伝えると良いです。

※地域包括支援センターを詳しく解説した別記事「親の介護そろそろかしら」

親に優しくできない自分を責めない

優しくできない自分を責めてはいけません。イライラするのは当たり前の感情なのです。衰えて行く親と接していれば以下のような不安や葛藤が出てきます。

  • 衰えていく親への失望感
  • 拘束されている感覚
  • 身内だからこそ優しくしなければという気持ち
  • 親の介護のために、この先の自分の人生に対する不安

一人で抱え込まないことが大切です。公的制度を利用しながら、たまには人に任せて外出したり、自分の時間を持ちストレスを発散しましょう。

参考:優しくできない自分が嫌…否定はNG!親の介護との正しい向き合い方:主治医の小部屋

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理想の生活態度を親に押し付けない

理想の生活態度を押し付ければイライラが増すだけです。

「親は親、自分は自分だ」という線を持ち続けながら、接することが大切です。良かれと思ってアドバイスしても、人によって大事にしていることが違う以上、受け入れてもらえるかはわかりません。

「こうしたらどう?」と伝えてみても、実践するかどうかは親次第と割り切りましょう。

「心配だから言っているのに、何で伝わらないの?」「お父さん、お母さんのために頑張っているのに」と自分を苦しめないためにも、一線を引いて親の反応に期待しすぎず、心に負担が出ない範囲でサポートをしましょう。

「親孝行の呪い」にかからない

「親孝行の呪い」とは自分ができる限り近くにいて面倒をみることが親孝行のあるべき姿と思い、直接介護してしまうことです。そうすることで親の衰えていく現実を目の当たりにして、ストレスとなり親を憎むようになります。以下が「親孝行の呪い」の例です。

  • 自分の家か近くに呼び寄せる
  • 積極的に会いに行く
  • 介護そのものを自分でやろうとする

どれも親との距離が近くなりすぎ「愛する親の悲しい姿」を突き付けられるストレスでだんだん親を憎むようになってしまうことが多いそうです。

将来的に親が要介護になった時は包括支援センターや外部機関を利用して距離を置き、お互いが幸せになりましょう。

親の近くで介護できない自分は親不孝者だと思ったり、他人から親不孝と思われると考えてしまいがちです。どうしても自分を責めたくなります。

しかし、そばにいないことが親不孝行なんてことはないのです。

介護を手伝ってくれるわけでも、お金を出してくれるわけでもない第三者の目は、自分や親の人生にとって関係ないのです。双方の幸せだけを考えることが大事なのです。

引用書籍:親不孝介護 著者:山中裕之/川内潤

包括をはじめとする制度を使えばちゃんと介護はできて、距離を保てて双方がハッピーということです。

参考:あなたも“親孝行の呪い”にかかっていないか

できないことが増えていく親の気持ちを知っておく

今までできていたことができなくなり、一番ショックを受けているのは、親本人です

年老いていく親自身も大きなストレスを抱えています。そのストレスから感情のコントロールが困難になったり、不安感が大きくなります。親が年老いていくプロセスは、身体的、精神的、社会的な変化が複合的に起こるものです。以下のような段階や変化がみられます。

社会的な変化

  • 長年続けてきた仕事を退職する、家族・友人が亡くなるなど様々な喪失感
  • 友人や知人との交流が減り、孤独感がますことがある

精神的な変化

  • 記憶力の低下などから自分の考えに自信が持てなくなる
  • 周囲の変化へついていけない、不安感、孤独感
  • 過去の出来事を振り返ったり、人生の意義を考えるようになる
  • 死を意識する機会が増えて、恐れや不安を抱く
  • 若い時には簡単にできていたことが思うようにできなくなることで不安を感じる

身体的な変化

  • 体力や運動能力の低下
  • 関節痛、視力、聴力の低下
  • 記憶や判断力が鈍くなる認知能力の低下

多岐にわたる変化にいちばん戸惑い、がっかりしているのは、他でもない本人です。親ができなくなったことを受け入れて「本人がそれでいいなら、いいか」くらいの気持ちで向き合いましょう。

不安を感じていることを知っていれば、「お母さんも、不安なんだよね」と思えるようになり、冷静に対応しやすくなります。

高齢者は耳が遠くなることから、会話中の聞き返しが増え相手に負担をかけることを気にして、コミュニケーションを億劫に感じ孤立感、孤独感を抱き、会話についていけないことへの焦燥感を感じます。

外出では車の音に気が付かないなど危険察知の遅れから、家族にとっても心配事が増えてきます。このように耳が遠くなることで心理面、日常生活に様々な影響をきたし認知機能の低下や認知症のリスクを高める可能性が近年の研究で指摘されています。集音器の活用など、早期に適切な対応をすることが重要です。

参考:難聴は認知症リスクにどのような影響を与えますか?

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介護される親が一番支えになっていること

子どもたちが元気でいることが支え

介護される親から見ると、子どもたちが健康で前向きに暮らしているということが精神面で大きな支えになっているそうです。

「息子は今どうしているか」「娘は今日もちゃんと仕事にいけたかね」ということをかなり認知症が進んだ方が話すこともあるそうです。

家族のことがやっぱり精神面、心理的な面で非常に大事なところを占めています。

誰かの役に立っているという実感

認知症に限らず老いることで失っていくのは「誰かの役に立っている」という感覚です。

幸せな記憶を手掛かりに「誰かの役に立っている」という実感につなげていくことができたら、その人にとって思い出ではなく本当に「今、ここでの幸せ」を実感できます。

身内からすれば認知症になったら周りが気を使ってしまい、その人の役割を奪っていってしまいます。身内ほど心配して「お母さんはなにもしないで」とやることを奪ってしまいます。

しかし本人は不安になります。「お願いだからやらせて、私もあなたたちの役にたちたいの」と思っています。でも子どもには心配するなといっても無理ですよね。そこで距離の近い家族ではなく介護のプロの出番がくるのです。

「おや?認知症ではないか?」と本人が思うこと

引用著書:介護しているあなたが一瞬で楽になる声掛け 著者:大石幸枝

初期(主な症状)

あれ?忘れた?微かな不安・・・

  • ガスの火を消し忘れる(鍋を焦がす)
  • ものの名前が出てこない
  • 外出や人と会うのが億劫になる
  • いままで好きだったことや趣味などに興味がなくなった
  • 怒りっぽくなった
  • 身なりを気にしなくなった(破れたのを着たり、年中同じものを着ている)

前期(主な症状)

私はどうしちゃったの?自分ではなくなっていくような怖さ・・・

  • お金の間違えが多くなる
  • 同じことを何度も聞く
  • 慣れた場所で道に迷ったことを覚えていない
  • ドラマの内容がわからない
  • 最近の出来事を覚えていない
  • 盗られたと思い込む
  • 時間、日付、自分の居場所がわからない

中期(主な症状)

怖い・・・足元に穴が開くような感覚

  • 他の人と自分と住む世界が違っているようで言われている意味が分からない
  • 今まで自分は何をしてきたのか?茫然と立ち尽くすことが多くなる
  • 心と体がバラバラになるように感じる
  • 自分の頭がおかしくなったと訴える

後期(主な症状)

私は独りぼっち・・・宇宙に一人浮かぶような孤独感、よるべなさ

  • 徘徊、異食、暴力行為等自分が何をしているのか全く判断できない
  • 不安や焦燥感が独りぼっちという孤独感を呼ぶ
  • わけがわからないとよく訴える、そういう自分に寂しさを感じる

※感情やその人らしさは最後まで残る。自分自身の変化と周囲の違和感に悩み続ける

認知症の行動や言動は、私たちには理解しがたいことが多いですが、その背景には何らかの感情や、欲求が存在すると考えることが重要です。

認知症になっても4つの心は生きている

認知症になっても心が生きています。孤独感や寂しさを感じているということを理解し、こんな時はどう接すればよいかまとめました。

寂しさ、孤独を抱えている

自分自身がどうなってしまうのか、何も覚えていない怖さや周りの人たちと会話がかみ合わないことに疎外感を感じて広い大地に独りぼっちのような孤独感にさいなまれている。

こんな時は「大丈夫、私たちがいるから」と安心してもらいましょう。

人の気持ちを敏感に察する

こちらがイライラしていたり、せせこましかったりすると自分が何もできない悔しさやお荷物になっている意識で暗い気持ちを抱く。

こんな時は明るく接しましょう

相手を思う心

介護している人の体調などが悪かったりすれば心配している。優しい心が残っている。

感謝の気持ち

死期が近づくほど介護しているひとに「ありがとう」を言っています。無意識のうちに感謝しないと悔いが残ると思っている。

※過去に自分がどういう人間だったのか記憶されているので「そのひとらしさ」が残ります。過去の自慢話はとめどなく話します。誰が何と言おうがそれが自分の歴史だからです。聞いている人は静かに傾聴しましょう。

本人もとっても辛いんだね。わざとじゃないのに憎まれてしまうのは悲しいよね・・・

「親愛なる子供たちへ」この詩を読むと少し優しくできる

「親愛なる子供たちへ」この詩を初めて読んだとき、涙が止まりませんでした。老いを感じている親の気持ちが表現されていて切なくなり、胸が締めつけられました。この詩を読む前までは、何度も同じ話をする母に「何回も聞いたよ!」と途中で話をさえぎっていました。その時の悲しそうな表情が私を追い詰めました。

この詩を読んで、少し年老いていく親の気持ちを知り、少しだけ気持ちが変わりました。でも時が経てば忘れてしまうので、いつでも読めるようにトイレに貼っています。

この詩の作者は不明でありポルトガル語で書かれていたそうです。

親愛なる子供たちへ 年老いた私がある日、今までの私と違っていたとしても どうかそのままの私のことを理解して欲しいほしい

私が服の上に食べ物をこぼしても 靴紐を結び忘れてもあなたに色んなことを教えたように 見守ってほしい

あなたと話すとき 同じ話を何度も何度も繰り返してもその結末をどうかさえぎらずに うなずいて欲しい

あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末はいつも同じでも 私の心を平和にしてくれた

悲しい事ではないんだ 消え去ってゆくように見える私の心へと 励ましのまなざしを 向けて欲しい

楽しいひとときに 私が思わず下着を濡らしてしまったりお風呂に入るのを嫌がるときは 思い出してほしい

あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて嫌がるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを

悲しい事ではないんだ 旅立ちの前の準備をしている私に 祝福の祈りを捧げて欲しい いずれ歯も弱り、飲み込む事さえできなくなるかも知れない 足も衰え立ち上がる事すらできなくなったら あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたようによろめく私に どうかあなたの手を握らせて欲しい

私の姿を見て哀しんだり自分が無力だと思わないで欲しい あなたをだきしめる力がないのを知るのはつらい事だけど 私を理解して 支えてくれる心だけを持っていて欲しい

きっとそれだけで私には勇気がわいてくるのです

あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように 私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい

あなたが生まれてくれたことで私が受けた多くの喜びとあなたに対する変わらぬ愛を持って 笑顔で答えたい 私の子供たちへ 私の愛する子供たちへ

作詞:不詳 日本語詞:角智織、補作詞:樋口了一 作曲・編曲:樋口了一

まとめ

最後に、あなたがこの記事を読んでくださったことに心から感謝いたします。

この記事を書こうと思ったきっかけは、私自身が高齢者の母に対して優しくできない、「いない方が楽」と思うことが多々あり、そんな感情になる自分を責めて苦しくなってきたからです。

自分自身、なぜこんなにも母といると「モヤモヤするのだろう」「心がぎゅっと固くなり、母が発する言葉に構えているのは何故だろう」と原因がわかりませんでした。

しかし、調べていくうちに、親の衰えを受け入れられない自分がいること、昔何気ない母の言葉に傷ついた経験が、影響していることが良くわかりました。きっと私と同じよう高齢になった親に対して、優しくできないと悩んでいる人がいるのではないかと思い、自分の経験を交えて書きました。まだまだ勉強中ですが、少しでもあなたの心が楽になってくれたらこんなに嬉しいことはありません。

freery brog
akoboo
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はじめまして!
35歳でシングルマザーとなり現在52歳。年子の娘を育ててその娘達も社会人となりました。ほっとしたのもつかの間、高齢の母にイライラしたり、更年期症状に悩ませられたり。そんな悩みの乗り
越え方を発信し、同年代の方達とキラキラ60代を過ごせるように日々勉強しています!

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